公開: 2024年2月5日
更新: 2024年2月5日
現代日本の教育制度で、高校を卒業した生徒が大学へ進学する割合が、約3割に達したのは、第2次ベビーブーム世代が大学へ入学するようになった1990年代の初頭でした。この頃、全国各地で大学の新設や新学部設立が盛んに実施され、大学側の学生定員も大幅に増加していました。2020年代に入ると、高校生の大学進学率は、6割を超えるようになっています。、
このような大学進学率の増加は、日本社会における将来の労働力に対する需要が期待されていたからです。これは、1990年頃までのバブル景気の影響も大きかったと言えます。しかし、1990年代の前半に大学へ入学した学生が大学を卒業する1990年代の後半に入ると、日本の経済は低迷し始め、過剰な労働力に悩んだ日本の産業界は、学生の新規採用を減らして、人件費を抑制する方針を採用したため、大学を卒業しても,企業に就職できない学生も出現する状況が発生しました。
「就職氷河期」と呼ばれた時代です。この状況は、2010年頃まで継続しました。しかし、日本の経済が鈍化し始めた2010年以降から、ベビーブーム世代の労働者が定年を迎え始め、企業内では労働力不足が問題になり始めました。その影響によって、大学生の就職率は、少しずつ上昇し始めました。2010年代後半からの高い大学進学率は、そのような企業の高い求人率に支えられている面があります。
文部科学省資料、"https://www.mext.go.jp/content/20201126-mxt_daigakuc02-000011142_9.pdf"